個人間の債権回収

債権回収は、大きく分けて、相手方との任意の交渉からスタートし、解決しない場合には法的手続へと移行します。
それぞれの段階でどのような手段があるのか、分かりやすく解説します。

裁判外での交渉・手続(任意交渉)

まずは裁判を起こさずに、当事者同士の話合いや書面でのやり取りを通じて回収を目指します。
この段階でも弁護士が介入することで、回収率が大幅に上がることがあります。

弁護士による代理交渉

当事者同士では話が進まない場合、弁護士が代理人として交渉します。
法律専門家である弁護士が、相手の言い分の法的根拠を精査しながら、論理的に交渉を進めていくため、不当な要求や無用なトラブル(恐喝的と誤解されるなど)を避けることができます。

内容証明郵便の送付

「いつ・誰が・誰に・どのような内容の郵便を送ったか」を郵便局が証明する制度です。
配達証明と併用することで、相手方に確実に請求(催告)した証拠を残すことができます。
また、内容証明で支払を催告した後、6か月以内に法的手続を行えば、債権の消滅時効の完成を猶予(中断)させる効果もあります。

公正証書の作成

交渉の結果、分割払などの約束がまとまった場合、公証役場で「公正証書」を作成することをお勧めします。
金銭の支払を目的とする公正証書(執行認諾文言付き)は、万一支払が滞った際に、裁判を経ることなく直ちに強制執行できる強い効力を持ち、相手への強い心理的プレッシャーとなります。

訴え提起前の和解(即決和解)

すでに当事者間で話がまとまっている場合、簡易裁判所に申し立てて「和解調書」を作成してもらう手続です。
公正証書と同様に強制執行の効力を持ちます。金銭だけでなく、代物弁済など柔軟な内容を含められるのがメリットです。

民事調停

話合いが平行線をたどる場合、簡易裁判所の調停委員会が間に入って解決を図ります。
裁判よりも柔軟な解決(分割払や保証人の設定など)が可能で、成立時に作成される「調停調書」には強制執行の効力があります。
関係性を完全に壊したくない場合にも有効です。

裁判所を介した法的手続

任意の交渉や調停で進展が見られない、あるいは相手が支払に非協力的な場合は、法的手続による回収へと移行します。

財産の保全(仮差押え・仮処分)

裁判には数か月から数年かかることがあります。その間に相手が財産を隠したり処分したりするのを防ぐために、一時的に相手の財産を凍結する手続です。
これにより相手がプレッシャーを感じ、自発的な支払に応じるケースもあります。
(※申立てには、弁護士費用だけでなく、請求額に応じた保証金の供託が必要です)

支払督促

いわゆる書面審査のみで簡易裁判所から督促状を出してもらう、スピーディーな手続です。

メリット:

訴訟の半分の費用で済み、相手からの異議がなければ約2か月で強制執行が可能になります。
証拠が明白な場合に非常に有効です。

デメリット:

相手が異議を申し立てた場合、自動的に「通常訴訟」へ移行します。

通常訴訟(裁判)

何度請求しても相手に支払う意思がない場合の最終的な法的手続です。
裁判所が双方の主張に基づき証拠を調べ、法的な判断を下します。判決に不服がある場合には、上級裁判所へ控訴することも可能です。

少額訴訟

請求額が「60万円以下の金銭」の場合に利用できる、簡易裁判所での特別な訴訟手続です。

メリット:

原則1回の期日で審理が終了し、すぐに判決が出るため早期解決に向いています。

デメリット:

1回で調べられる証拠しか提出できず、希望どおりの判決が出ないこともあります。
また、判決に対する控訴はできません(異議申立てにより通常訴訟へ移行することは可能ですが、移行後の判決には控訴できません)。

最終手段:強制執行

確定判決や和解調書、公正証書などがあるにもかかわらず相手が支払わない場合、裁判所の力を借りて強制的に財産を差し押さえます。

対象となる財産: 預貯金、給与、不動産(土地・建物)、動産(自動車や貴金属など)、第三者への売掛金など。

重要なポイント:

強制執行を行うには、「相手のどこに、どんな財産があるのか」を債権者側(強制執行を申し立てる側)で特定する必要があります。
財産が全くない場合や、すでに隠されてしまった場合は回収が困難になるため、事前の「仮差押え」が重要です。

ご相談の流れ

1.お問い合わせ

お電話、またはメールフォームからご連絡ください。事務スタッフまたは弁護士が状況を丁寧におうかがいし、相談の日程を調整いたします。

2.無料法律相談

現在の状況、取引の経緯、証拠の有無、相手方の対応状況などを詳しくうかがいます。対面はもちろん、オンライン相談など、状況に応じた柔軟な相談方法をご提案します。

3.解決への見通し提示

お話をうかがった上で、法的な視点から「どのような解決が望めるか」「どのようなリスクがあるか」を誠実にお伝えします。

4.ご契約

方針と費用について十分にご納得いただけましたら、正式なご契約となります。

5.代理人としての活動・解決

全ての交渉・事務手続を代行します。進捗は随時ご報告しますので、あなたはご自身の生活にお戻りください。

よくあるご質問

Q. いつでも過去の債権を請求できますか?

A. できません。

債権には「消滅時効」があります。債権の種類によって時効期間が異なる場合があり、放置すると請求権を失ってしまいます。少しでも不安がある場合は、消滅時効が成立する前に早めに弁護士にご相談ください。

Q. 支払督促は自分自身で(弁護士を利用せずに)できますか?

A. はい、ご自身で行うことも可能です。

いわゆる書面審査のみなので、申立ての段階で裁判所へ出向く必要はありません。ただし、相手が異議を申し立てて通常訴訟に移行した場合には、ご自身で裁判所へ出廷し、対応する必要があります。

Q. 民事訴訟(裁判)とは具体的に何ですか?

A. 話合いで解決できないトラブルを、裁判所が強制的に解決する手続です。
裁判官が双方の主張や証拠を確認し、どちらの言い分が正しいかを法的に判断して「判決」を下します。勝訴判決が出れば、それに基づいて相手の財産を強制執行(差し押さえ)することができます。

Q. 支払督促や裁判に勝てば、必ずお金は回収できますか?

A. 残念ながら相手の財産状況によります。

相手に差し押さえるべき財産(預金や給与、不動産など)が全くない場合には、勝訴しても回収できないリスクがあります。そのため、手続に入る前に相手の財産状況をある程度把握し、費用対効果を見極めることが重要です。

お一人で悩まず、まずは当事務所にご相談ください

債権回収は、時間が経過すればするほど相手方の財産が散逸してしまったり、消滅時効が成立してしまったりと、回収のハードルが日に日に高くなってしまいます。
 「他への支払はしているのに、うちは後回しにされている」
 「何度も催促しているが、のらりくらりと逃げられている」
そのような状況であれば、それはすでに当事者同士の話合いでの解決が困難なサインかもしれません。仕方なく損金として処理してしまう前に、専門家である弁護士が介入することで、状況が大きく好転するケースは多々あります。
当事務所では、現在の状況や証拠の有無、相手方の状態を丁寧におうかがいし、任意交渉から強制執行まで、費用対効果を踏まえた最適な回収プランをご提案いたします。
「裁判までするべきか迷っている」「相手に財産があるかわからない」といった段階でも構いません。手遅れになってしまう前に、是非一度、当事務所へお問い合わせください。

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